エアロビあり、ボウリング施設ありの100名弱の従業員規模のレジャー施設運営会社の事例です。
飲食部門、特に和食部門の収益が悪化、客数・客単価がここ数年減ってきて赤字部門になっていました。飲食部門だけでなく全体としてもなにか暗い印象で、サービス業としての「商い」の基本にもなにも手を付けられていない状況でした。
社長は従業員のやる気を引き出すため、人事制度を変えていくことと、各部門のリーダークラスに対し、やる気を引き出すための研修を実施したいとの計画を弊社に依頼して参りました。
簡易な事前調査と称して一部従業員とリーダークラス、1部の仕入先業者様にヒアリング(状況聞き取り)と施設のミステリーショッパー(客を装い、施設のサービスぶりを観察調査)を実施しました。
その結果、飲食部門のサービスぶりが非常に悪い結果が出ました。笑顔が少ない、声がでていない、オーダーが時々違う、クリンネスの手抜き等々。
また、お客様のクレームが読み取れていない、共有されていない(以前は朝礼にて、報告されていたようだが・・・)問題も。
さらに和食の料理長が複数仕入れ業者へ多額のリベートを要求していることが放置されていました。
要は顧客満足向上のための改善点が多々あり、従業員・リーダーが見て見ぬふりがまかり通っていた状態でした。
ここで実施したことは、将来幹部になるであろう30歳代の5名を各部門から選別して再生プロジェクトをつくりました。
仕事を終えて疲れているときでも週1で2時間この5名と弊社コンサルタントと社長のオブザーブで「わが社の将来構想:人事制度の骨格も含め」を全従業員からヒアリングを行い、期日を決めて作成することにしました。
また、その5名にはコーチング力とヒアリング力をつけるためにロールプレイング(役割演技)中心のトレーニングを行いました。
結果料理長は自主退職することになりました。またCS(顧客満足度)調査及びミステリーショッパーを部門ごとに2ヶ月ごとに実施して行きました。
すると9つの部門がCS度を競うようになっていきました。たとえば「今度の調査ではうちは9部門中6位だった。次は上位3位以内を狙おう。そのためにはフルスマイルを男子も徹底しなければ」といった会合が自主的に実施されて行きました。
和食部門は当初9番目(つまり最下位)でした。しかし、仕入れ業者やアルバイトスタッフからのアドバイスを積極的に取り入れ、また入社6年目の新料理長に笑顔とパワフルな言動がよみがえり5か月目には2位までに躍進してきました。
また、人事制度の処遇は、業績評価だけでなく、CS度や改善提案度も反映するように変えることにも多くの賛同を得、運用が始まりました。
現在は1ヶ月に一回は相互にその人の「良かった言動・行動3項目、改善してほしい言動・行動1項目」をメモにして交換している状況が各部門の活性化に大いに貢献している状態です。つまりチーム7名だと6名からメモが各自貰え、そこで18項目のうれしいことと6項目の改善点が各自受け取る訳です。
社長からは、コスト削減コンサル、サービスマニュアルの改訂、教育等のご用命も頂き、全社一丸となり再生の道を着実に進んでいます。
大手経営コンサルティング会社、人材情報サービス会社リクルート社を経て、現、株式会社ニーズ・経営コンサルティング事業パートナー エグゼクティブコンサルタント その他、産能大総合研究所兼任講師も務める。
組織診断コンサルティング(マネジメント診断、風土診断、店舗診断、制度診断、モラール診断)
人事制度・教育体系構築コンサルティング、人事考課研修、人事アセスメント研修、
営業部門の強化支援コンサルティング(営業戦略の構築、営業マネジャー研修、営業スキル研修・営業同行指導・営業マニュアル制作)、
階層別研修(経営層、管理職、中堅社員)
小売店舗活性化コンサルティング(業務改善、CS、店舗診断、店舗マニュアル制作)
エンジニア対人折衝力強化研修(チーム構築スキル)
など多岐に亘る。