業務用食材「カレールー、麺つゆ等」を製造販売している食品メーカー。社員数は200名[パートがほかに50名]弱で、そのうち営業スタッフは50名強の組織。本社機能をもつ工場は東京郊外、札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、博多に6つの営業拠点を持つ。
ここ数年、売上げ、営利共相当落ち込んでおり、創業以来の危機を迎えていた。なんとか土地等の売却益で、乗り越えてきたものの、社長は相当の危機感を持っていた。
そこで、社長をはじめ、社内幹部、中堅、若手からヒアリングを行った結果、以下の課題が浮かび上がってきた。
(1)営業部門の新規開拓ができていない。
(2)お客様からの要望を受けてのサンプル品の製作タームが長く営業チャンスを逃している。
(3)全支店の6,7名の営業スタッフで8割の売上を上げており、若い世代(20~30代前半)の営業マンが育っていない。
(4)お客様からの品質、納期におけるクレームが頻発している。
(5)小ロットの納品でかつ短納期の要望に対し、工場側としても受けられないのを何とか無理して納品していたが、それがここ1年多くなりすぎており、現在では、営業部門の要望を工場があまり聞かなくなっている。
プロジェクトは以下のような形で進めることになった。
◎営業部門及び関連する部署(製造、経理、総務部)も含め、全社的営業力強化プロジェクトを発足する(名称:アクション○○○○)。
◎成果、結果を明確にするため、プロジェクトの期間を6ヵ月間に区切る。
◎現場社員参加型「アクションラーニング」を取り入れ、ニーズの経営コンサルタントが社長(社長室)のサポートを行いながら進める。
1ヵ月目:問題・課題の抽出(集合・現場)⇒課題ごとにチーム設定
2ヵ月目:課題の掘り下げ(集合・現場)⇒チームごとにまとめ、社内共有⇒解決案の抽出(集合・現場)⇒チームごとにまとめ、社内共有、発表
3ヵ月目:改善活動スタート(集合・現場)⇒目標・スケジュール等チームごとに設定、社内共有、発表
4ヵ月目:進捗確認・振り返り(集合・現場)⇒チームごとにまとめ社内共有、発表
5ヵ月目:進捗確認・振り返り(集合・現場)⇒チームごとにまとめ社内共有、発表
6ヵ月目:活動最終発表会(本社)
◎商品サンプル製作ターム・・・10日~15日⇒5日以内にて対応(サンプル制作工程管理マニュアルの整備)。
◎お客様専属窓口の設置・・・社長室に営業所から1名異動にて担当。グループウエアを再構築、お客様のお声履歴、共有、お客様ヒアリング実施。
◎工場の少ロット、短納期対策・・・工場長補佐、工程管理担当責任者を新たに2名任命(安全管理・工程管理・品質管理マニュアル整備、グループウエアを再構築)⇒拠点、営業マン共、現状の工場の業務状況がすぐわかるようになった。
◎ネット販売強化(B-C、B-B)⇒50万円~80万円/月単アップ
◎ターゲット別新規顧客データをHPやIタウンページより抜粋、整理、自社紹介ツール開発、電話、FAXで一斉アプローチ、担当接触55社内、サンプル提出13件、新規取引開始5社(食品スーパーPBプロジェクトなど)。
◎上司、部下、他部署関係なく課題を解決していく必要性に迫られた⇒社内の壁がなくなり、コミュニケーションの姿勢がかわった。
◎問題、課題、目標を全て数値化することを習慣化したため、営業会議の仕方や仕事の進め方までも変わった⇒課題の捉え方、仕事の優先順位の立て方等(工程管理、営業活動管理、コスト管理の徹底、お客様対応姿勢の変化)。
◎経営層の支持を得ていたプロジェクトだったので、各メンバーが主体性をもち、各職場での課題を解決することを主眼としていることから、メンバーの上司は必然的に「課題を共有し、思い切って任せる」「結果を積極的にサポートする」立場になった⇒幹部・管理職クラスが危機意識を持って部下とともに活動することが多くなった。
大手経営コンサルティング会社、人材情報サービス会社リクルート社を経て、現、株式会社ニーズ・経営コンサルティング事業パートナー エグゼクティブコンサルタント その他、産能大総合研究所兼任講師も務める。
組織診断コンサルティング(マネジメント診断、風土診断、店舗診断、制度診断、モラール診断)
人事制度・教育体系構築コンサルティング、人事考課研修、人事アセスメント研修、
営業部門の強化支援コンサルティング(営業戦略の構築、営業マネジャー研修、営業スキル研修・営業同行指導・マニュアル作成)、
階層別研修(経営層、管理職、中堅社員)
小売店舗活性化コンサルティング(業務改善、CS、店舗診断)
エンジニア対人折衝力強化研修(チーム構築スキル)
など多岐に亘る。